倉敷民商弾圧事件弁護団ニュース 2019.10.30

10.16打合せ期日(法曹三者による協議)の内容
2019年10月16日の第9回目打合せ期日で,弁護人は検察に対し,立証計画のあり方をただしました。
そもそも本件は否認事件であり,禰屋さんがI建設会社の法人税法違反に加担したと主張する検察官は,正犯のI建設会社が法人税法違反をしていたことについても立証責任があります。差戻し判決により査察官報告書の証拠能力が否定されてこれを証拠とすることができなくなった以上,検察官は可能な限り原資料を示して緻密に証拠請求を行うべきです。

ところが,検察官は,繰り延べについてかたくなに原資料による証拠請求を拒み,また経費については,こともあろうに,I建設会社が建設大臣という会計ソフトに入力した仕訳日記帳という帳簿のみを資料としています。仕訳日記帳は,領収書などの伝票類に記載されている日付と会計ソフトへの入力の日付とが大幅にずれており,内容の信用性に疑問があります。その点について,弁護団が問いただすと,検察官は領収書などの原資料とつきあわせてそれが正しいかどうかについてはまったく分析をしていないことを明らかにしました。
「原資料とつきあわせる作業をしていないのはおかしいのではないか!」と弁護人がつめよると,検察官は,「そんなことをすると2~3年はかかる」と居直ったのです。検察官は自分達が行うと2~3年はかかる作業を弁護人に短期間にさせようとしているのです。弁護団は,そもそも検察官が負っている立証責任を弁護人に転嫁するのはおかしいと猛然と抗議しました。

次回打合せ期日は2020年1月22日午後3時となりました。

弁護団の動きとこれからの闘い方
以上の打合せ期日の経過から明らかなように,そもそも弁護団の準備に時間がかかっているのは,他ならぬ検察官の立証が杜撰なため,検察官の主張が正しいかを弁護人が証拠を見て分析するのに,膨大な時間を必要とするからです。また,通常の法人税法違反事件と違って,本件では,禰屋さんは本犯ではなく単なる幇助犯という位置づけのため,有利不利を問わず証拠の一切は検察官が握っており,弁護人がその存在を知らない証拠も多数あります。弁護人は,この不公平をただすために,再三,検察官の手持ち証拠の一覧の開示を求めてきましたが,検察官は「一覧の開示はしない。見たいものがあれば弁護人で特定しろ。あれば見せるから検察庁に見に来い。」と尊大に言い捨て,開示を拒否しました。このような検察官の不当な姿勢に弁護団は怒りに震えています。このような状況の中で,弁護人は,各科目について分担を決め,各班が鋭意,税理士の力も借りて,法人税法違反幇助の事実があったかどうか分析をしているのです。
分析を続ける中で,弁護団は悪戦苦闘しつつも,I建設会社は法人税法違反をしていた故意はなかったこと,起訴に値するものではなかったこと,少なくとも,禰屋さんに法人税法違反を手助けする意思は全くなかったことについて,ますますの確信を得ています。
禰屋さんの無罪を勝ち取るため,弁護団はさらなる努力を行います。支援者の皆様におかれましては,これまでご支援に厚くお礼申し上げるとともに,これからの,ご支援をよろしくお願いします。